ハーブの女王「ノニ」は、未知の果実

ノニはアカネ科の植物で、学名「モリンダ・シトリフォリア」といい、沖縄では「ヤエヤマアオキ」と呼ばれています。主にポリネシア地方やハワイ諸島、東南アジアなど、赤道付近の環太平洋の熱帯から亜熱帯の島々などの広い地域に自生している常緑の熱帯低灌木です。
古来より「ハーブの女王」「神からの贈り物」と呼ばれ、日常生活のありとあらゆる場面で、果実から根に至るまで余すところ無く用いられてきました。葉や果実は食品として、幹の部分は工具として加工したり、樹皮や根からは、木の皮で作った布「タバ」の染色として利用されていました。民間伝承的にありとあらゆる疾病・症状に「クスリ」として、また、祈祷師の伝統的療法に使われるなど、生活に欠かすことの出来ない植物として重宝されてきました。
ノニは、1年間で3~5回花が咲き、150グラム程のジャガイモのような果実を1本の木に30~40個つけます。果実は最初緑色で非常に硬く、柿のような食感をしていますが無味無臭です。成熟が進むと黄味がかったクリーム色になり、甘みや酸味がでてきます。果実が軟らかく乳白色になると悪臭を発散します。種はエアーサックと呼ばれる小さな袋状をしているので、水の流れに乗り運ばれ散布されます。海で数ヶ月の旅をして島にたどり着いた後でも発芽することが出来る、驚異的な生命力を持っています。また、果実は鳥の好物なので、鳥によって山岳地などにまで運ばれ拡散されます。気温差や降水量の開きにも耐えられる強い植物ですが、寒さには弱く気温12度以下になると枯れ始めます。
ノニの果実の発酵果汁には、各種酵母や酵素、アミノ酸、中鎖脂肪酸、ポリフェノール類などを含んでおり、その栄養価と有用性から様々な研究や商品開発がされ、体に良いものとしてジュースの形で製造・販売されていることが多いようです。一般的に、糖尿病、高血圧、ガンの予防、美容や健康への効果があるといわれていますが、ヒトにおいての効果に対する科学的な根拠は見当たりません。動物や細胞の実験での報告であり、安全性の情報が十分ではなく、副作用についてはまだ不明であり注意が必要です。例えば、カリウムを多く含んでいるので、妊娠中や母乳授乳期の方は摂取してはいけません。腎臓病患者の方や血圧を下げる薬を服用している方には有害です。肝臓病の方は、肝毒性を表す可能性があるため摂取を避けてください。病気の方が、効果を期待して自己判断で健康食品を利用するのは危険なので、必ず主治医の先生に相談をして、慎重に判断する必要があります。